不要な時に、花を送る男

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無粋な男が増えすぎていると思う。

私の住んでいる地域では、男は決まって有名ケーキ屋の手提げを下げている。
それも同じケーキ屋で、10年以上も変わってない。
つまりバカなのだ。

少々田舎なので、男が花を持って歩くと”今日あの人は彼女にプロポーズするに違いない”という雰囲気さえ出る。そうでなければ、”キザでナルシストな男”と一瞥される。
私からすれば、女性と会うのに花の一つも持っていかない方が気の利かない男だ。
かっこ悪いだけでなく、カッコ付けることさえできないのだ。

そのくせ、病院の御見舞には一丁前に花を持ってく、ひどいと百貨店なんかでフルーツを買って行く。
だれから聞いたか知らないけれど、肝心の相手は花屋兼フルーツ屋になれるほどに御見舞品をもらうことになる。
また、結婚式だからといって生花というのも芸がない。唯でさえ会場の花をたんまり渡されるのに、多くの人から花束ばかり渡される。
これならまだ気の利いたクリスタルグラスの花瓶を郵送して渡す方が気が利いている。

要らないタイミングばかりで花を送り、本当に欲しい日常に贈らないわけだ。
「無難」とは最悪の選択だ。
プロポーズするときに、プロポーズのセリフ集から選ぶ位には酷い。
それに相手の気持ちを少し考えれば、何が欲しいか、どんな言葉が欲しいかすぐに分かるはずだ。

一人暮らしの女性に招かれたのなら、美しいカッティングの施されたクリスタルグラスか、英国のティーカップくらい持っていくべきである。
それが出来ないのなら四季にあった生花を包んでもらうべきだ。
10年以上ある有名ケーキ屋の箱を持っていくというのは、スーパーの玉ねぎを手土産にするようなものだ。