高級スーツや銀食器など使う人を選ぶ

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高級なものというのは買えばそれでヨシという物だけではありません。

例えば高級なスーツ、吊るしの既製服でも良いですが、ブリオーニやダンヒルのSuper180’sウールのスーツ。
Super200’sのオーダーメイドシャツなど、高級超細番手の生地を使っている服というのは非常に高度なメンテナンスが必要なります。

小銭を掴んだからといって、ブリオーニで150万円で一式揃えても、それを美しいまま維持できないのです。
連続着用を避け、個人店のクリーニングや必要に応じてドライクリーニングではなく水洗い(スーツを一度分解して洗浄)をしなければなりません。
番手の高いシャツなんて、アイロンを掛けただけではシワが取れません。
一般人が手に追えるスーツなんてのはせいぜいSuper120’sから140程度までです。

なにしろ本当に高級なスーツは、椅子に腰掛けただけて皺になったり光沢になってしまうのです。自動車でシートベルトを締めることさえ許されません。
高級なものというのは、常に使用人が居て高度なメンテナンスを受ける前提になっているものも多いのです。

他にもすぐに思いつくのは銀食器。ヨーロッパではお金持ちの象徴として銀の食器を揃えます。レ・ミゼラブルでもジャン・バルジャンが銀の食器を盗む描写がありますね。ポットやカップソーサーだけでなく、燭台や写真立てなどあらゆるものが銀製であったりします。
それも銀メッキでは無くスターリングシルバーが基本です。アンティーク品でも純銀製の食器が数多くあります。

なぜ、この銀食器がお金持ちの象徴なのか、それにはメンテナンスの理由があります。
銀のフォークやスプーンなど、どんなものでも常に「毎日」磨かなければいけません。
怠るとすぐにくすんで黒く酸化してしまいます。
これがどれだけ大変か分かりますか?お金持ちは使用人を雇い、常にいつ使うか分からない銀のものを一つずつ磨かれるのです。
現代の日本人からしたら、何て悪趣味なんだと思うかもしれませんが、使用人が居る前提のヨーロッパでは銀というのはそれほどまでに当たり前であったのです。

また料理人や庭師を持つお金持ちも多かったようです。
庭師はガーデンのローズの手入れ、これもまた非常に難しい専門的な知識の居るものです。家に住むというだけで、とにかく手間の掛かる作業が多く、それを全て使用人に行われていたという文化がありました。

その名残という訳ではありませんが、今でも高級な物の中には「使う人を選ぶ」物が数多くあるのです。
高級車、高級腕時計、本革製など常にメンテナンスが必要ですね。